平屋に向いているのはどんな人？ 懸念点と解決策！
家族とのコミュニケーションを大切にする人や、高齢者は平屋を検討するとよいでしょう。熊本でも平屋の注文住宅が注目されています。
しかし、平屋には建築費用が高くなりやすいことや、浸水リスクがある地域での安全性に対する懸念があります。これらの問題を解決するために、工夫や対策を講じることが必要です。
目次
平屋が増加している！どんな人に向いている？
平屋住宅は近年、特に若い世代を中心に人気が高まっており、居住性や利便性が多くの人に評価されています。平屋の着工数は年々増加しており、生活のしやすさやバリアフリー対応などが、その魅力です。家族とのコミュニケーションを大切にする人や、老後の住まいを考える人にとって、平屋は理想的な住まいの1つといえるでしょう。
◇平屋が人気を集めている
平屋住宅の人気は近年高まっており、特に若い世代を中心に注目されています。国土交通省の「建築着工統計調査」によると、平屋の着工数は2016年の3万7,947棟から2022年には5万7,575棟へと大幅に増加しているのです。
また、2022年における居住用建物全体のうち、平屋の割合は13.9％に達しており、年々増加傾向にあります。このデータから、平屋ブームは1時的なものではなく、着実に根強い人気を保ち続けているといえるでしょう。平屋の需要が高まっている背景には、居住性や利便性が評価されていることが考えられます。
出典元：国土交通省 建築着工統計調査
◇平屋が向いている人は？
平屋住宅は、家族とのコミュニケーションを重視する人や、夫婦のみ、または1人暮らしでコンパクトな住まいを求める人に特に向いています。また、老後を見据えた住み替えを考えている人や、バリアフリー対応の家が必要な人にもおすすめです。
さらに、開放感のある環境で暮らしたい人や、昔ながらの和風の家に住みたい人、郊外や田舎で自然と触れ合いながら生活したい人にも平屋は適しています。平屋はバリアフリーやコンパクトさなど、2階建てにはない魅力があり、熊本で理想の生活を実現するための選択肢として考えられるでしょう。
平屋はやめた方がよい？懸念点を紹介
画像出典：フォトAC
平屋住宅には多くの魅力がありますが、選択する際にはいくつかの懸念点も考慮する必要があります。主な懸念点として挙げられるのは、建築費用が高くなりがちなことや、浸水リスクが高い地域での安全性に対する不安です。
◇費用がかかる
平屋は、同じ延床面積の2階建てと比べて建築費用が高くなりがちです。主な理由は、基礎部分の面積が大きくなるためで、基礎工事にかかるコストが増加します。また、屋根や基礎部分が2階建ての約倍必要になるため、費用がかさむのです。
◇浸水のリスクがある
平屋は、豪雨や河川の氾濫による床下浸水や床上浸水のリスクが高くなります。床上浸水の際には、平屋全体が水浸しになる可能性があり、上階に避難することができないため、安全な避難場所が確保できません。2階建てに比べて、平屋は垂直避難の手段がないため、浸水リスクを十分に考慮する必要があります。
平屋のリスクを回避する方法！
平屋には費用面や浸水などのリスクがありますが、いくつかの工夫で回避できる可能性があります。平屋の建築費用を抑えるためには、サイズを少し小さくし、基礎や屋根のコストを削減することが有効です。
◇サイズを抑える
平屋は同じ延床面積の2階建てに比べて建築費用が高くなるため、コストを抑える方法として、サイズを少し小さくするのが効果的です。例えば、30坪の家ではなく、28坪程度の平屋にすることで、基礎や屋根のコストを削減できます。
92㎡〜93㎡の平屋でも十分な広さを確保でき、長い廊下を省くことで、より広く感じる間取りが実現可能です。固定観念にとらわれず、必要なスペースを見極めることで、コストパフォーマンスの良い注文住宅を作ることができます。
◇浸水に備えて逃げ場を作っておく
平屋は2階がないため、床上浸水の際に逃げる場所がないというリスクがあります。浸水リスクがある地域では、対策としてロフトを設けることが有効です。ロフトなどの高い位置を作ることで、一時的な避難場所を確保できます。
また、迅速な対応が最も重要です。事前にどこへ逃げるかを確認しておき、浸水の兆候を感じた際は避難指示を待たずに速やかに避難を開始することが、命を守るための最善策です。こうした備えをすることで、浸水時のリスクを軽減し、安全を確保することができます。
魅力の多い平屋で快適な生活を叶えられる！
平屋住宅は、階段がなく移動が楽で、家族とのコミュニケーションが取りやすいなど、多くの魅力を持っています。そのため、特に高齢者や子育て世代にとって、平屋は快適で安全な暮らしを実現できる理想的な住まいといえるでしょう。
◇家の中を移動しやすい
平屋住宅は、家の中を移動しやすいという大きな利点があります。階段の上り下りが不要なため、生活がとても快適です。
2階建て以上の住宅では、リビングが2階にある場合、キッチンやトイレは1階に配置されることが一般的です。このような配置では、食事を作るために階段を降り、またトイレに行くために階段を上る必要があります。これが1日に何度も繰り返されると、階段の上り下りが負担になることがあります。
一方、平屋住宅では、リビング、キッチン、トイレなどがすべて同じフロアに配置されるため、階段を使う必要がありません。これにより、家の中での移動が非常にスムーズになります。例えば、掃除機やモップを持って階段を上がる必要がなく、1つのフロアで掃除を完了できるため、手間が省け、効率的に家事を行うことが可能です。
また、バリアフリーの観点からも、階段がないことで安全性が高まり、特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では安心して生活することができます。
◇コミュニケーションが取りやすい
平屋住宅には、家族とのコミュニケーションが活発になりやすいという利点もあります。一般的に、平屋では廊下を最小限にし、リビングを中心に配置するため、家族全員が自然と顔を合わせる機会が増えるでしょう。これにより、日常的な会話や交流が促進され、家族の絆が深まります。
例えば、2階建て以上の住宅では、リビングが2階に配置されることが多く、キッチンやトイレなどの生活空間が1階にあることが一般的です。この場合、子どもが学校から帰ってきても、リビングを通らずに直接自室に行くことができるため、帰宅時に顔を合わせる機会が少なくなることがあります。その結果、コミュニケーションが減少し、家族のつながりが希薄になることもあるでしょう。
しかし、平屋ではリビング、キッチン、トイレなどの主要な生活空間が同じフロアにあるため、自然と家族が集まりやすく、コミュニケーションの機会が増えます。
◇家事がしやすい
家事をしながら子どもの様子を確認しやすい点も平屋住宅の魅力でしょう。2階建て以上の住宅では、家事を1階で行う場合、2階にいる子どもの様子を見るのが難しくなりがちです。見守りカメラを利用すれば様子は確認できますが、常に画面に気を配ることは難しいため、あまり現実的ではありません。そのため、子どもが安全に過ごしているかを常に確認するのが難しいことがあります。
一方、平屋では、リビングやキッチンなどの主要な生活空間が同じフロアにあるため、子どもが自然と目の届く範囲にいます。これにより、家事をしながらも、子どもがどこで何をしているかを視認しやすく、トラブルが発生しそうなときや何か問題が起こった際にすぐに対処できます。
平屋住宅は近年、特に若い世代を中心に人気が高まっており、その理由として居住性や利便性が評価されています。平屋の着工数は年々増加しており、家族とのコミュニケーションを重視する人や、老後を見据えた住み替えを考えている人にとって理想的な住まいといえるでしょう。
しかし、平屋には建築費用が高くなりがちであることや、浸水リスクがある地域での安全性に対する懸念も存在します。これらのリスクを軽減するためには、建築費用を抑えるために家のサイズを少し小さくしたり、ロフトを設けることで浸水時の避難場所を確保したりする工夫が必要です。
平屋は階段が不要なため、移動が楽で、バリアフリー対応のため高齢者や子育て世代にとっても安全で快適な暮らしを実現できます。家族全員が同じフロアで生活することで、自然とコミュニケーションが活発になり、家事をしながら子どもの様子を見守ることも容易です。
