ZEHとは?ZEH補助金を利用して省エネ住宅を建てよう

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、断熱性能を高めたり、HEMSシステムを導入したりすることで、住宅のエネルギー消費をほぼゼロにする取り組みです。太陽光発電などの再生可能エネルギーも活用し、CO2排出を減らします。全国で補助金制度が整備されており、様々な条件に合わせたZEHの建設が進んでいます。
目次
ZEHとは?
ZEHとは、高い断熱性能を基盤に、高効率機器やHEMSによる省エネ、太陽光発電などによる創エネを組み合わせ、住宅の年間エネルギー消費量をほぼゼロにする住まいのことを指します。
ZEHの普及促進を目的とした補助金制度も整備され、全国でさまざまな条件やニーズに対応したZEHの建設が可能となり、今後ますます省エネルギー化が進むことが期待されています。
◇断熱
ZEHとして認定されるためには、暑さや寒さに影響されにくい高い断熱性能が必要です。具体的には、断熱材や窓の性能を向上させることで実現します。断熱性能が向上すれば、冷暖房に使うエネルギーを減らすことができ、より効率的で快適な住環境となります。
◇省エネ
ZEHの「省エネ」には、HEMS(ヘムス)というシステムが不可欠です。これは住宅内の消費エネルギーと太陽光発電などでつくるエネルギーを確認できるシステムです。
さらに、省エネタイプのエアコンや高効率な給湯システム、消費電力の少ないLED照明などを導入することで、エネルギー使用量を最小限に抑えることが求められます。
◇創エネ
ZEHでは、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーシステムを備えることが求められます。この「創エネ」で創り出すエネルギーが、消費するエネルギーを上回ることが目標です。
高断熱化により、住宅内の温度差が小さくなるため、ヒートショックのリスクを低減し、エアコンの効きも良くなります。太陽光発電があれば停電時でも電気が使え、光熱費を抑えながら安心で快適な暮らしが可能になるのがZEHのメリットです。
ZEHのメリットとは?
◇資産価値の向上
ZEH住宅は、省エネ性能を星1~5で評価する指標「BELS」において、星4~5に相当する省エネ機能を備えていると評価され、不動産の価値向上に寄与します。
◇脱炭素への貢献
ZEHの省エネ機能により、石炭や石油、天然ガスといった一次エネルギーの消費を抑制することで、CO2の削減につながり、地球温暖化の防止にも寄与します。脱炭素化社会を目指す動きが高まる中、ZEH住宅は時代に合った住宅といえます。
◇災害に強い
ZEH-M、Nearly ZEH-M、ZEH-M Readyに該当する住宅は、太陽光発電や蓄電池などの再生可能エネルギー用設備の導入が定められており、災害時にも蓄電した電力を使用できるため、ライフラインを維持できる可能性が高く、入居者に大きな安心感を提供します。
◇補助金を受け取れる
一定の条件を満たすことで、ZEH住宅の建築費に対して補助金を受けることができるため、経済的な負担を軽減できます。申請期間や補助金の制限については、申請時に確認することが重要です。
ZEHのデメリットとは?
◇初期費用・メンテナンス費用がかかる
ZEH住宅では、断熱設備や省エネ設備、再エネ設備を導入する必要があるため、一般の住宅よりも設備導入費用が高くなります。
また、これらの設備のメンテナンス費用もかかるため、初期費用やランニングコストが増加します。しかし、快適な居住環境の実現や光熱費の削減といったメリットは、居住者にとって大きな魅力となります。
◇デザインの自由度が下がる可能性がある
各種省エネ設備や太陽光発電パネルを導入するため、間取りや屋根のデザインなどに制約が生じることがあります。ZEH住宅としての機能を維持しつつ理想の物件を実現するためには、施工会社としっかりと検討することが重要です。
◇太陽光発電量のばらつきがある
太陽光発電による発電量は、天候や季節に大きく影響されます。多雪地域や寒冷地、低日射地域など、地域の気象条件に合った太陽光発電システムを導入する必要があります。
また、立地条件によりNearly ZEHの評価となる場合もあり、BELSの評価にも影響するため、想定よりも物件価値が向上しないこともあります。
ZEH補助金とは?

画像出典:フォトAC
令和6年時点では、以下の補助事業が実施されています
◇戸建住宅ZEH化等支援事業
令和6年度の戸建住宅ZEH化等支援事業は、年間の一次エネルギー消費量を正味でゼロにすることを目指した住宅(ZEH)、またはZEHよりもさらに省エネを深め、設備のより効果的な運用により太陽光発電等の自家消費を拡大することを目指したZEH(ZEH+)を対象としています。
この事業は、新たにこれらの戸建住宅を建築する、または新築建売住宅を購入する場合に適用されます。
◇集合住宅の省CO2化促進事業
令和6年度の集合住宅の省CO2化促進事業は、年間の一次エネルギー消費量を正味でゼロにすることを目指した集合住宅(ZEH-M)を新築する事業を対象としています。この事業は、集合住宅の省エネルギー化を促進し、CO2の削減を目的としています。
新築されるZEH-Mは、高い断熱性能や省エネ設備、太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムを導入し、環境負荷を最小限に抑えた持続可能な住まいを提供します。このような取り組みにより、環境に優しい集合住宅の普及が期待されています。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、高い断熱性能と省エネ機器、太陽光発電などを組み合わせ、住宅の年間エネルギー消費量をほぼゼロにする住まいです。ZEHは高断熱化やHEMSシステムの導入によりエネルギー効率を最大化し、CO2排出量を削減します。補助金制度も整備され、全国でさまざまな条件に応じたZEHの建設が進んでおり、省エネルギー化の進展が期待されています。