2024年住宅トレンドとは?注目を集めているトレンドワードを紹介

2024年の住宅トレンドは、平屋回帰、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、規格住宅、タイパ、ランドリールーム、ヌック、家事動線に焦点があります。特に、高齢化社会に対応するための平屋回帰や、省エネルギー性能を重視したZEHが注目されています。また、効率的な動線設計やリモートワークに対応した「ヌック」の需要が増加しています。
目次
2024年住宅トレンドとは?
SUUMOリサーチセンターは、「住まいの価値」についての研究を推進しています。その成果は、私たちの生活をより豊かにしています。
そのSUUMOリサーチセンターが発表した2024年の住宅トレンドは、以下の7点です。
・平屋回帰
・ZEH
・規格住宅
・タイパ
・ランドリールーム
・ヌック
・家事動線
出典元:suumoリサーチセンター
平屋回帰とは?高齢化社会に伴うバリアフリー化
日本の住宅市場では、多階建ての家よりも平屋を好む傾向が高まっている現象を「平屋回帰」と呼びます。平屋回帰の背景には、さまざまな社会的・文化的要素があります。
特に、高齢化社会においては、階段の昇降が困難な高齢者にとって平屋は生活しやすい住宅形態となります。平屋のバリアフリー性を高めるためには、室内の建具はすべて引き戸にするのが基本です。
1~2cmほどのわずかな段差や溝でも、高齢者には転倒の原因になります。上吊りタイプの引き戸にすれば床のレールがなくなるため、安全に移動することができます。
ZEHとは?省エネ性能を高める家
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、1年間で消費したエネルギー量を自宅で生成するエネルギーで賄い、実質的なエネルギー消費量をゼロに近づける住まいを指します。ZEH住宅は、地球温暖化対策としても注目されており、CO2の排出削減に大きく貢献することが期待されています。
具体的には、住宅の屋根や空きスペースに設置された太陽光パネルが日照を利用して電力を生成し、それを家庭内で消費することが可能です。余剰電力が生じる場合は、これを電力ネットワークに供給し、売電収入を得ることもできます。
規格住宅とは?コストを抑えて家を建てる
規格住宅とは、ハウスメーカーが設計した規格に沿って建てる住宅のことを指します。間取りや設備、内装や外装などが最初からある程度決まっており、施主はハウスメーカーが提示する一定の選択肢をベースに具体的なプランを策定します。
規格住宅は、注文住宅よりも安くて建売住宅よりは高いのが相場です。注文住宅よりも時間と費用を節約できるというメリットを持っています。
また規格住宅は、一定のルールに従い設計を行うため、間取りや仕様の大きな失敗をしづらいという特徴もあります。
規格住宅は、自由度が高すぎる注文住宅や、自分の好みを反映できない建売住宅とは異なり、コストと自由度のバランスを取ることができます。そのため、コストを抑えたい人や、打ち合わせの時間がなかなか取れない人などにおすすめの住宅スタイルと言えるでしょう。
タイパとは?効率的に動ける動線設計が注目
タイパは「タイムパフォーマンス」の略語で、時間を効率的に使おうとする考え方を指します。特に、住まいの間取りにおいても、タイパの考え方が重視されています。効率的に動ける動線設計が求められているのです。
これは、生活の中で無駄な動きを減らし、時間を有効に使うための工夫と言えます。
また、収納スペースが十分に確保されている間取りもタイパが良いと言えます。物をすっきりと収納できることで、探す時間が減り、生活がスムーズになります。
ヌックとは?リモートワークの増加で需要アップ

画像出典:suumo
ヌックとは、片隅や隠れ場所という意味を持つ、小ぢんまりとした居心地のいい空間を指します。その形や大きさ、用途に決まりはありませんが、おこもり感があることが共通しています。
近年、新型コロナウイルスの影響でリモートワークやリモート授業が進み、家で過ごす時間が長くなったことから、ヌックの存在が注目されています。ヌックは、リビングの一角や無駄になりがちなデッドスペースなどに設けることで、生活空間を広く保つことができます。
ランドリールームとは?収納力と機能性を重視しよう

画像出典:フォトAC
ランドリールームは、洗濯に関連する家事を一箇所で行えるスペースのことを指します。具体的には、洗濯、乾燥、洗濯物と洗剤の収納、さらにはアイロンがけをするスペースなどが含まれます。これらの作業を一つの場所で行うことで、移動時間が削減され、家事の効率が大幅に向上します。
近年、ランドリールームの需要が高まっています。その背景には、共働き世帯の増加により、家事に割ける時間的余裕が不足していることが挙げられます。
また、黄砂やPM2.5などの洗濯物を汚す物質の増加により、バルコニーでの洗濯物干しが困難になったことも、ランドリールームの需要増加の一因となっています。
家事動線とは?作業効率を高める設計
家事動線とは、家事を行う際の移動範囲や作業の流れを最適化するための設計思想です。これは、家事の効率を向上させ、生活の質を高めることを目指しています。この設計思想は、規格住宅やタイプ住宅にも取り入れられています。
これらの住宅は、一般的には決まった間取りが提供されますが、最近では動線を考慮した設計が増えてきています。これは、住む人の生活スタイルや家事の流れをより良く反映するためです。
家事動線は、ただ単に家事を楽にするだけでなく、生活全体をスムーズにし、ストレスを軽減することができます。
2024年の住宅トレンドは、平屋回帰、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、規格住宅、タイパ(タイムパフォーマンス)、ランドリールーム、ヌック、家事動線に焦点を当てています。
特に、高齢化社会に対応するための平屋回帰や、省エネルギー性能を重視したZEHが注目されています。また、快適な生活空間を提供するための効率的な動線設計や、リモートワークを考慮した小さな隠れ家「ヌック」の需要が増しています。これらのトレンドは、より快適で質の高い生活を目指す人々に支持されています。