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家づくりの手引き

パッシブデザインの基礎:自然エネルギーを活かして快適な住まいに

公開:2025.02.19 更新:2025.02.19
パッシブデザインの基礎:自然エネルギーを活かして快適な住まいに

パッシブデザインとは、エアコンやヒーターなどの機械的設備に頼りすぎることなく、太陽光・風・地熱などの自然エネルギーを賢く利用して、建物の設計段階から快適性と省エネルギーを追求する手法です。

四季の変化が大きい日本では、夏場の高温多湿や冬場の冷え込みにどう対応するかが課題ですが、パッシブデザインを導入すれば、冷暖房負荷を抑えつつ、自然の心地よさを取り込んだ室内環境が実現しやすくなります。

本記事では、日射取得や通風などパッシブデザインの基本原則をはじめ、夏の湿潤気候が特徴的な熊本での取り組みや、シミュレーションツールを使った設計の進め方など、具体的なポイントをわかりやすく解説します。これから住宅づくりを検討する方や、リフォームで省エネ性能を高めたい方にとって、自然を味方につけた快適な住まいを考える上で役立つ情報が満載です。

パッシブデザインの原則

図面

パッシブデザインとは、自然環境を上手に取り入れつつ、必要に応じて遮断することで、機械設備に過度に頼らずに快適な室内環境を生み出す設計思想です。具体的には、建物の配置や断熱性能、窓の位置・形状などを計画的に検討し、地域の気候条件や住まい手のライフスタイルに合わせて最適化することが重要となります。

日本のように四季が明確で、夏の蒸し暑さと冬の寒さの差が大きい地域では、太陽光や風などの自然エネルギーの活用と遮断が、住宅の住み心地やエネルギー消費量を左右する大きなポイントになります。

まず、建物の配置については、隣家との距離や敷地の形状、日射条件、通風経路などを総合的に把握し、どこにリビングや寝室などの主要居室を設けるか、庭や駐車スペースをどの位置に配置するかなどを検討します。

例えば、南に大きく窓を設けると冬場に太陽熱を取り込める反面、夏場には過度な日射が入り込むおそれがあるため、庇やルーバーによる遮蔽計画と併せて考える必要があります。また、周囲の建物や植栽の影響で風が流れにくい場合には、窓の高さや開閉方向を工夫して室内換気を促すなど、柔軟な対応が求められます。

ZEH

次に、断熱性能はパッシブデザインを語るうえで欠かせない要素です。断熱材の種類や厚みだけでなく、窓のサッシ素材やガラスの性能も総合的に判断することで、熱の出入りをコントロールしやすくなります。

せっかく窓の配置や庇で日射をコントロールしても、断熱性能が不十分だと室内外の温度差が大きくなり、冷暖房の負荷が増してしまう可能性があります。高断熱・高気密化を図りつつ、適切な換気計画を組み合わせることで、四季を通じて安定した室温や湿度を保ちやすくなるのです。

最後に、窓の位置や形状もパッシブデザインの要です。南向きの大きな開口部を設けて冬場の日射取得を狙う一方、夏には遮蔽策を講じて直射日光を遮ることが理想です。また、窓の配置を互い違いにすることで、通風の効率を高めることも可能です。

日本では台風や梅雨による強い雨風があるため、開閉方法や窓ガラスの強度などの安全面も合わせて検討する必要があります。こうした総合的なアプローチを行うことで、季節ごとの変動に応じた快適な室内環境を実現できます。

日射取得・日射遮蔽・通風利用

太陽

パッシブデザインを構築するうえでは、「日射取得」「日射遮蔽」「通風利用」という三つの要素が大切です。季節や時間帯によって太陽の角度や風向きは大きく変化するため、それぞれの要素を適切に組み合わせることで、一年中快適な住まいを目指します。

1.日射取得

木の隙間から見える日差し

•冬場は日中の太陽高度が低くなるため、南側に大きな窓を設けて日射を室内に取り込み、暖房負荷を抑えることが狙いです。

•庭やバルコニーの植栽計画も含め、窓を塞がないようにして太陽光が届きやすい配置を心がけます。

•大きな開口部を取り入れる場合は、断熱性能の高いガラスやサッシを採用し、結露や冷気の侵入を防ぐ設計が望ましいです。

2.日射遮蔽

グリーンカーテン

•夏場の日中は太陽高度が高くなるため、庇やオーニングなどの装備で直射光が差し込みすぎないようにします。

•ルーバーや格子、外付ブラインドなどを活用して通風を阻害せずに日射をカットする方法も有効です。

•植栽を使った遮蔽も人気で、落葉樹を南側に植えると夏は日差しを遮り、冬は葉が落ちて日射を確保できるメリットがあります。

3.通風利用

通風

•自然の風を上手に取り込むことで、冷房負荷を軽減し、室内の熱気や湿気を排出しやすくなります。

•建物の平面・立面計画の段階で風向を意識し、風が抜けやすい通り道を確保することが大切です。

•高窓や吹き抜けを利用すると、暖かい空気が上昇して排出されやすく、室温コントロールが容易になります。

スウェーデンハウスの開口部計画

スウェーデンハウス 開口部

引用元:スウェーデンハウスHP

スウェーデンハウスの設計事例は、北欧の厳しい寒冷地仕様をベースにしながらも、日本の多様な気候条件に合わせたアレンジが施されていることで注目を集めています。代表的なのは、高い断熱・気密性能を持ちながらも、日射コントロールを重視した開口部計画です。

大開口部を南側に配置

冬の低い太陽光をしっかり室内へ取り込み、昼間の暖房負荷を抑える効果を狙っています。一方、夏場には軒や庇を設計に組み込むことで、直射日光を窓に当てないよう工夫します。

庇や植栽で季節対応

夏季には庇やオーニング、さらには落葉樹などを活用して強い日差しを遮ります。木陰をつくることで、室外温度の上昇も抑えられるため、外部からの熱侵入が軽減し、室内はより快適になります。

対角線上の通風計画

窓の配置を対角線上にレイアウトし、開閉方向やサッシの種類を工夫することで、自然の風が通り抜けやすい設計を実現。北欧発祥ながらも、日本の蒸し暑い夏を意識した換気計画が特徴的です。

断熱

スウェーデンハウスのように、しっかり断熱されている家ほど、夏の強い日射をどの程度遮蔽できるかが室内環境の快適性を左右します。断熱性能が高いということは冬場の暖気を逃しにくい一方、夏場は外気の熱が室内に伝わりにくい反面、いったん侵入した熱が逃げにくいという特性もあります。

したがって、庇や軒の出、開口部の位置やサイズなどを建築段階でしっかりシミュレーションし、夏の熱負荷を最小限に抑えることがパッシブデザインの要となります。

さらに、窓周りのデザインを上手に活かせば、視覚的にも広がりのある空間が生まれます。大きく開口をとることで室内からの眺めがよくなり、自然と共生する感覚を得られやすいのもパッシブデザインならではの魅力です。

ただし、窓が大きいほどコストやメンテナンス、セキュリティ面の配慮が必要になるため、施主の希望や敷地条件、予算と照らし合わせてバランスを取ることが不可欠といえるでしょう。

このように、パッシブデザインの原則を理解し、日射取得・日射遮蔽・通風利用をしっかり計画に落とし込めば、一年を通じて省エネルギーかつ快適な空間をつくることが可能です。とりわけ日本の気候は季節ごとの振れ幅が大きいため、地域の特性や家族構成、生活スタイルに合わせた柔軟な設計が求められます。

冬は陽だまりを上手に取り込み、夏は自然の風と影を活用する。そしてその基盤には、高い断熱性能や気密性能が欠かせません。これらを総合的に組み合わせることで、環境に優しいだけでなく、住まう人々の心身にもやさしい家づくりを目指していきましょう。

会社名スウェーデンハウス 九州支店
所在地福岡県福岡市博多区博多駅前4丁目9番2号八百治センタービル5F
電話番号092-436-3434
設立1984年
対応可能エリア九州全域
公式サイトURLhttps://www.swedenhouse-kyushu.com/
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熊本の気候とパッシブ要素

熊本

熊本県は、夏になると最高気温が35℃を超える日も多く、さらに湿度が高いため、蒸し暑さが体にこたえる地域として知られています。一方で冬は比較的温暖で、降雪量も少ないのが特徴ですが、放射冷却の影響で朝晩の冷え込みが厳しくなる日もあります。

こうしたメリハリのある気候に合わせてパッシブデザインを取り入れるためには、風通しの確保日射のコントロールが特に重要となります。

まず、夏場の高温多湿対策としては、外部からの熱侵入を遮断しつつも、室内にたまった熱気や湿気をスムーズに排出する仕組みを整えることが欠かせません。

熊本のように湿度が高い地域では、機械換気だけに頼っていると排湿が追いつかない場合があり、室内が蒸し風呂のようになってしまうことがあります。そのため、通風計画をしっかり練り、自然の風を活かせる窓配置や吹き抜けの設計が求められます。

また、夏の日差しが強い時間帯には日射遮蔽が必須で、庇や軒先の深さを十分に取ることで、室温の過度な上昇を防ぐ工夫が効果的です。落葉樹の植栽も検討すれば、夏には葉が茂って直射を防ぎ、冬には葉が落ちて貴重な太陽熱を取り込むことができるため、環境に調和した住まいづくりに役立ちます。

霜

一方、冬の対策としては、朝晩の冷え込みへの備えがカギとなります。熊本は雪こそ少ないものの、放射冷却の影響で夜間の気温が急激に下がることがあります。そこで、日中の日差しを逃さずに取り込みつつ、夜間の冷気を遮断できる設計が重要です。

具体的には、高断熱性能の壁や窓を採用しながら、開口部を南向きに配置して冬場の太陽光を室内に届きやすくする、というアプローチが考えられます。日中に取り込んだ熱を建物内部に蓄え、夜間の冷え込みを和らげることで、暖房負荷を抑制できるのがメリットです。

また、熊本は年間を通じて湿度が高めなため、結露対策も欠かせません。とくに冬場は、室内と室外の温度差が大きくなる朝方に窓ガラスやサッシ付近で結露が発生しやすく、カビやダニの原因になる可能性があります。

高断熱・高気密な住宅であっても、換気計画が不十分だと結露リスクが増しますので、24時間換気システムや通風の工夫により、湿気の滞留を防ぐことが求められます。こうした結露リスクを踏まえたうえで、窓の位置や形状、断熱材の選択などを総合的に検討するのが理想です。

夏湿潤気候下の風通し確保

風通しの良い家

熊本のように夏に湿度と気温が同時に上昇する地域では、冷房機器に頼るだけではなく、自然換気を活用したパッシブ設計が効果を発揮します。たとえば、家の中心部に縦方向の吹き抜けを設置したり、高窓をもうけたりすることで、暖かい空気や湿気が上部から排出されやすい構造をつくれます。風の通り道が確保されれば、室内にこもった熱気を効率よく逃がすと同時に、涼しい外気を取り入れることが可能です。

開口部の高さや位置:高い位置に窓を設けることで、熱気や湿気が自然に上昇し、排出されやすくなります。これを「煙突効果」と呼ぶこともあり、エアコンを使わなくても室内の空気を循環させられる点がポイントです。

風の通り道を意識したレイアウト:建物の周囲に植えられた樹木や隣家との位置関係にも注目し、風が滞りなく建物内を通過できるように配慮します。窓を対角線上に配置し、開閉方向を工夫すれば、少しの風でも室内全体を行き渡らせやすくなります。

このように、夏の高湿度環境下でも自然換気を活かせる設計を行うことで、エアコン使用量を抑えながら快適に過ごせる住空間が実現します。また、定期的に窓を開けて空気を入れ替えるだけでも、カビやダニの発生を抑制し、室内の衛生環境を保ちやすくなるでしょう。

シアーズホームのパッシブ設計例

吹き抜け

地元熊本で数多くの施工実績を持つシアーズホームでは、夏の高温多湿と冬の冷え込みの両面を考慮したパッシブ設計を行っています。特に夏場の直射日光を遮るために、大型の軒先や庇を積極的に採用し、日射遮蔽性能を高める工夫が目立ちます。

庇が深いと、夏の日差しが高い角度から当たっても窓面を直撃せず、室内への熱侵入を軽減できるのが大きな利点です。さらに、窓の配置やサイズを最適化し、リビングと庭の間に大きな開口部を設けることで、屋内外の空気を自然に循環させて涼感を得ることを重視しています。

一方で、冬の朝晩には気温が下がる熊本の気候に対応するため、断熱性能や結露対策にも力を入れています。外壁や屋根の断熱材だけでなく、窓周りにも断熱性の高いサッシや複層ガラスを採用することで、暖房効率を向上させると同時に、室内外の温度差による結露を抑制。

シアーズホームの設計思想では、熊本のように寒暖差が大きい地域でも年間を通じて省エネで快適に暮らせる住環境を提供することが大きなテーマとなっており、徹底したパッシブアプローチが特徴的です。

自然風

このように、地域の気候特性をしっかり把握し、通風と日射遮蔽を組み合わせたパッシブデザインを実現することで、機械的な冷暖房に頼りすぎず健康的な室内空間を維持できます。特に高温多湿の夏には自然の風を活かし、冬には確実な断熱と日射取得で暖房負荷を抑える。

シアーズホームの例は、熊本の気候に合わせたパッシブ設計の一つの成功事例といえるでしょう。地域の温度・湿度・日射量などを考慮した住宅づくりに興味のある方は、こうした取り組みを参考にすることで、季節を問わず心地よく過ごせる住まいを目指すことができます。

会社名株式会社シアーズホーム
所在地熊本県熊本市南区馬渡2-12-35
電話番号096-370-0007
設立平成元年1月17日
対応可能エリア熊本県、福岡県、佐賀県
公式サイトURLhttps://searshome.co.jp/
Googleレビューレビューなし

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シミュレーションツールの活用

ブラインド

パッシブデザインは、建物が建つ地域の気候や敷地条件、さらに住まい手の生活リズムなど、多種多様な要素を総合的に検討しながら最適化を図る設計手法です。しかし、日射量や通風、熱の伝わり方などは、経験や勘だけでは捉えきれない複雑な要因が絡み合います。

そこで役立つのが、シミュレーションツールを用いた客観的かつ定量的な分析です。

建物の形状・窓の位置・壁の断熱性能などを入力し、実際に完成した住宅がどのように日射を受け、どこを風が流れ、室内にどの程度の熱がたまるのかを数値とビジュアルでシミュレートすることで、施主・設計者の双方が明確なイメージを共有できます。

たとえば、窓の位置や大きさを少し変えるだけで、冬の太陽熱がどの程度室内に侵入し、暖房費をどのくらい軽減できるかが変わってきます。一方で、夏の強い日差しが同じ窓から差し込んだ場合、室温が上昇しすぎないように庇やブラインドでどれだけ遮蔽すべきかを事前に検討する必要があります。シミュレーションツールを活用すれば、こうした日射量や遮蔽率を客観的に評価しながら、季節ごとの快適性や光熱費の削減効果を具体的に見極めることが可能です。

自然風

また、風の流れについてもシミュレーションが有効です。外部から入る風が室内を抜ける経路をあらかじめ把握しておけば、窓の配置や開閉方向、階段や吹き抜けの設置位置などを最適化できます。特に、夏の高温多湿な日本では、自然換気をうまく利用して冷房負荷を抑えることがパッシブデザインの肝となりますが、隣家や植栽、地形など周囲の環境が加わると風の流れは一筋縄ではいきません。

シミュレーションによって風が滞るポイントや逆に通り抜けが強すぎる場所を見つけ出し、窓の大きさや位置を微調整することで、必要以上に暑さを感じさせない住空間を目指すことができます。

加えて、断熱性能や気密性能もシミュレーションの対象になります。建物外皮の熱伝導率や、窓サッシ・ガラスの仕様、換気設備の特性などを数値化し、季節ごとの熱損失や熱取得量を試算すれば、どの部分を強化することで最も効率よく暖冷房負荷を下げられるかが見えてきます。断熱材を追加するコストと、暖冷房費を含めた光熱費削減効果のバランスを具体的に数値で提示できるため、予算調整やグレード選択にも大いに役立つでしょう。

このように、シミュレーションツールを適切に活用することで、経験やカタログスペックだけでは見落としがちな細部の調整を事前に行い、施主が求める快適性・省エネ性・コストパフォーマンスのすべてを満たす設計を作り上げることが可能になります。まさに「設計の段階で不確定要素を徹底的に排除する」アプローチであり、完成後に「思ったより夏が暑い」「冬の光熱費が高い」などのトラブルを回避できるのが大きな強みです。

CFD解析・日射シミュレーター

日射シミュレーション

引用元:九州大学工学部

パッシブデザインにおいて代表的なシミュレーション技術として挙げられるのが、CFD解析日射シミュレーターの活用です。

1.CFD解析(Computational Fluid Dynamics)

•CFD解析は、建物内部や周囲の空気の流れをコンピュータ上で計算・可視化する手法です。風の流入・流出経路、空気の速度や圧力分布を解析し、換気効率や室内の温度ムラを検証できます。

•自然換気を重視するパッシブ住宅では、窓の開口位置・大きさ・形状を少し変えるだけで、室内の風の流れが大きく変化することがあります。CFD解析によってその変化を定量化できるため、より正確に「快適な通風路」を設計できるわけです。

•吹き抜けや階段室を通じた縦方向の換気、隣家との距離が近い密集地での風通しなど、複雑な条件下でも具体的な数値を基に検討できるのが大きなメリットです。

2.日射シミュレーター

•一年を通じて太陽高度や方位角は変化しますが、日射シミュレーターを使うと季節や時間帯に応じた日差しの入り方を3Dで可視化することができます。

•例えば、庇の出幅や窓の高さを変えると、夏と冬で室内にどの程度の光・熱が入り込むかをシミュレーター上で確認でき、設計の段階で微調整が可能です。

•外付けブラインドやルーバー、植栽の影響まで考慮すれば、自然の影や反射光を巧みに使い分けた設計が実現し、冷暖房負荷を抑えられます。

こうした解析ツールを併用すると、パッシブデザインの根幹である日射取得日射遮蔽通風利用を高次元でバランスさせることが期待できます。さらに、高断熱化による室温変化の違い、空気の滞留リスクなども俯瞰できるため、建物全体のエネルギーバランスを最適化しながら、施主の要望に応じた居住空間をプランニングしやすくなります。

工務店との打合せで可視化

打ち合わせ

シミュレーションの結果は数値データだけでなく、グラフ化や3Dモデルでの可視化として出力できるため、施主と設計者の打合せ時に非常に役立ちます。例えば、以下のような具体的なシナリオを想定して打合せを進めると、パッシブデザインの価値を直感的に理解しやすいでしょう。

冬期の日射取得を増やす:南側の窓を20%大きくすると、日中の室温がどの程度上がるのか、暖房費はどれくらい削減できるのか。

夏季の日射遮蔽策を最適化:庇やオーニングの長さを50cm伸ばした場合、室温が何度ほど低く保てるか、エアコン稼働時間にどう影響するか。

通風プランの比較:CFD解析を使い、窓の配置パターンAとパターンBでどちらが通風効率に優れているかを数値で比較し、グラフや色分布図で確認する。

こうした検討を行うことで、施主は「ここまで変わるのか」「このくらいの追加コストでこれだけの光熱費が削減できるのか」といった具体的なメリットやトレードオフを把握できます。一方、設計・施工側にとっても、施主の優先順位(例えば初期費用なのか、長期的な省エネ性能なのか)を把握しながら、根拠のある提案を行いやすくなります。

リスクを減らす

また、シミュレーションを活用した打合せは、将来の変更リスクを減らすという意味でも大きな利点があります。建物完成後に「想定以上に夏が暑かった」「風があまり通らなかった」といった不満が生じた場合、後から大幅なリフォームをするのは手間も費用もかかります。しかし、事前の検証によって最適解に近いプランを導き出せれば、こうした後悔を最小限に抑えられるでしょう。

総じて、シミュレーションツールを用いるパッシブデザインのアプローチは、定量的かつビジュアルに根拠を示せるという点で、施主・施工側の両者にとって大きなメリットをもたらします。新築やリフォームの打合せの際には、CFD解析や日射シミュレーターなどの結果を積極的に活用しながら、住宅の省エネ性能と住み心地を同時に高める設計を目指していきましょう。

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まとめ

省エネイメージ

パッシブデザインは、自然エネルギーを最大限に活かして省エネ快適性を両立させる住宅設計の要となる考え方です。日射取得・日射遮蔽・通風利用といった基本原則を踏まえ、地域の気候特性に合わせた工夫を凝らすことで、一年を通じて心地よい住空間が実現します。

特に、夏の高温多湿に悩む熊本のような地域では、風通し日射コントロールが家づくりのカギを握ります。加えて、勘や経験だけではなく、シミュレーションツールを活用することで、科学的な根拠に基づいた最適な設計が可能です。

読者への呼びかけ

•新築やリフォームを検討中の方は、工務店やハウスメーカーとの打合せで、パッシブデザインという視点をぜひ取り入れてみてください。

•シミュレーション結果を参考に、窓の位置・大きさや断熱材の種類を検討すれば、光熱費健康面にも良い影響をもたらす住まいづくりが期待できます。

•スウェーデンハウスやシアーズホームなどの事例も活用しながら、あなたの地域やライフスタイルに合ったパッシブ設計を採用し、長く快適に暮らせる住環境を手に入れましょう。

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